忍者ブログ
♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥  
そらに描いた物語
H19年11月26日〜。個人の趣味による二次創作メインの小説(+お題)サイトです。各原作者様・出版社様・企業様とは全く関係ありません。同人要素を含んでおりますのでご注意ください。
 92 |  90 |  89 |  88 |  87 |  85 |  84 |  83 |  81 |  80 |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

メインが当日までに仕上がって、パソコンの前で小躍り。

談話室からの帰り道。アレンは団員から貰ったお菓子を心置きなく食べた後で上機嫌だった。丁度曲がったところで機嫌の悪そうな同僚に出くわし、目が合う。神田の標準装備は不機嫌で慣れてしまって、鋭い視線もアレンにはいつものことだ。
アレンはふと思いついた企みに小さく笑った。
「神田、happy Halloween!」
言われた相手はその言葉に心底面倒くさいと顔をしかめる。
「trick or treat?」
その対応も全く気にかけず、アレンは両手を差し出しお菓子を強請る。
「お菓子がないなら悪戯しますよ」
アレンはニコーっと楽しげに笑みを深くした。ラビならば角と尖った尻尾が見えると言いそうな笑顔だ。
神田はイベントも甘い菓子も嫌いで有名だ。勿論それを承知の完全なる確信犯の目的は悪戯に決まっている。アレンは持っているはずがないと心の中でほくそ笑んだ。
「あるぜ」
アレンはぱちくりと目を瞬かせる。その呆気にとられた表情は年相応に幼かった。
「えー!」
驚きと不満の入り混じった声が上がった。そして、じっとりと恨みがましい視線が神田に注がれる。
「なんで、持ってるんですか」
理不尽な非難に神田の眉が寄る。
「お前みたいなのがいるからな」
「…バ神田のくせに」
余計な知恵付けてんじゃないですよ
アレンはチッと舌打ちして、小さな声で吐き捨てた。ピキッと神田の額に青筋が浮かぶ。じろりと睨みつけるが、アレンにはどこ吹く風だ。
長い指がアレンの頬を抓り上げた。手の筋が浮くほどの力を柔らかい肉に容赦なく加える。
「いひゃひへす」
流石の痛みにアレンの目に涙が滲む。真剣に痛い。手を離せと抵抗を試みるが、意味をなさない。
「痛くしてんだから当たり前だろ」
「さど」
「なんか言ったか」
「いへ」
アレンは明後日を向いて、恐ろしく冷たい視線をやり過ごす。諦めたようなため息が落とされ、頬を抓る力が緩んだ。やっと解放された頬は赤くなっており、アレンは無言でそこを撫でる。
一呼吸置いて神田が口を開いた。
「trick or treat」
その言葉にアレンはにこっと笑って、
逃走を謀った。
「逃げんじゃねぇ」
神田にしっかりと襟を掴まれ阻まれる。つまり、逃走の勢いは全て首への負荷となる。
「神田、首っ、首締まってるっ」
仕方なくアレンが体を元に戻すと、襟を掴む手が離れた。締まっていた気管に空気が流れこみ、アレンは小さな咳を繰り返す。
「待ってください。どこかにあるはずなんで」
呼吸の落ち着いたアレンは慌ててポケットの中を探りだした。
神田が鼻で笑う。
「てめえのことだ、貰ってばっかで、全部片っ端から食ったんだろ」
「…その通りです」
アレンは心の中で舌打ちし、お菓子なんてありませんよと開き直った。
神田の口角が小さく上がる。
「悪戯だな」
 
アレンは再び地面を蹴った。
 
 
 
うちのアレンさんは標準装備で黒いけど、なぜか神田さんに勝てません。普段は振り回してるのに。私の好みが無意識で出てるんでしょうか?

title by 26度の体温
PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Copyright(c)  そらに描いた物語  All Rights Reserved.
*Material by *MARIA  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
最新CM
最新TB
ブログ内検索