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そらに描いた物語
H19年11月26日〜。個人の趣味による二次創作メインの小説(+お題)サイトです。各原作者様・出版社様・企業様とは全く関係ありません。同人要素を含んでおりますのでご注意ください。
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「ねぇ」
机に向かっているイルカ先生の肩に頭をのせた。
一緒にいるんだから構ってよ。そんな気持ちを込めて、そのまま軽く体重をかける。
「はい」
イルカ先生はこちらも見ずに返事した。書類にペンを走らせる音によどみはない。帰ってきてからずっと机に向かっている。
そんなに仕事が大事なの。むかつく。俺より仕事のほうが大切なの。そんなことが頭に浮かんだ。決して比べらることではないと知ってはいるけれど。昔女に言われたときは鬱陶しいだけだったのに。あなたに関することにだけ心の狭い俺は仕事にだって嫉妬するんですよ。そんなことは言わないけどね。
「しましょ」
こちらを見ない愛しい人の頬に音を立ててキスをした。
何をとは言わない。そんなことをすれば恥ずかしがり屋のこの人は怒ってしまうから。
イルカ先生は握っていたペンを落とした。彼はそれに気づかず、勢いよくこっちを向いた。いきなりでムードもへったくれもなかったから驚いたんだろう。頬を赤く染め、口をぱくぱくさせている。
かわいい
「いや?」
斜め上にある瞳を覗きこんで、わざと沈んだ雰囲気を演出する。イルカ先生が嫌だと言えないように。
案の定、彼は言葉に詰まった。へにょりと眉を下げる。
基本的にイルカ先生は嫌とは言わない。本人曰わく嘘は吐きたくないらしい。そんなときはよく黙り込む。恥ずかしがり屋なのだ。無理だとか駄目だと怒られるのはいつものことだけど。
「その、明日は水泳の授業があるんで」
「ふうん」
顔を赤くさせたまま、上目づかいで訴えるイルカ先生はかわいいけど、言ってることはダメ。頭が冷えて冴え、腹の底は沸きたつ。
俺の様子がおかしいのに気づいたのかイルカ先生は怪訝そうに俺を見つめる。
そんなに不安がらなくていいのに
彼が安心するようにことさら柔らかく微笑むと、俺を見るイルカ先生の視線がさらに警戒を含んだものになる。さすがに俺のことをよくわかっているねぇ。
「イルカ先生は泳ぐんですか?」
「え、もちろんじゃないですか。だから、あの」
俺の言葉は彼の予想外だったらしい。今晩はという期待に顔を輝かせた。
本当かわいいなぁ。そんなわけないのに。
「嫌」
「嫌って、カカシさんっ‥ふ…」
言おうとしているのを無視して彼の唇を自分のそれで塞いだ。開いていた唇の間から舌を差し込む。ゆっくりと歯列をなぞり、咥内を好きなだけ堪能する。
その間に、机で頭をうたないように気をつけて押し倒した。
「カカシさん!」
イルカ先生は口付けの合間に必死で制止の声を上げる。
でも、そんな姿で言われてもねぇ。彼の快楽で潤んだ瞳に赤く濡れた唇が欲を刺激する。それに、そんなかわいらしい抵抗で止まるわけないでしょ。
「だーめ」
俺はにっこりと笑って、再びイルカ先生の唇を塞いだ。
 
あなたは俺のなんだから
本当はどこかに閉じ込めて誰にも見せたくないのに
 
俺もあなたに会うまでこんなに強い執着を持っているなんて知らなかった
カカイル(NARUTO)

title by 群青三メートル手前
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